2011年11月8日火曜日

風力発電の普及のために必要なこと

風力発電といえば、高い主塔と3枚羽のプロペラによるものが一般的だ。
コストというと、建設コスト(材料および施工)を、維持管理のコストに分けられるが、このタイプは、そもそも製品の価格も高く、施工コストも高い、日本の場合は、設置場所は大抵山岳部であり、まず、工事用道路(将来は維持管理用道路)の建設が必要である。 また維持管理についてもプロペラの破損なども多く、何十メートルも上の主塔に取り付けられたプロペラを補修するのは並大抵のことではないだろう。

 このタイプは、元々、平原が多い国に向いている。
 平原ならば、工事用道路も簡易ですむ、また、同一地域に何百基も、同タイプの風車を付ければ、建設においても、維持管理にしてもスケールメリットが生かせるため、かなり低コストになるはずだ。
 また、数百基もの風車を建設し、管理運営するには、かなりの安定した資本力を持つ企業としての力が必要になるだろう。

 日本国内で、こういう条件を満たせる場所は少なく、産業として発展性は、他国に比べて低いと思われる。
 最近話題の、海上タイプについても、建設コスト、メンテナンスコストを考えると、採算性に疑問を感じる。

 日本国内で、風力発電を普及させるには、もっと中小型でコストが安く、メンテも容易な風力発電方式が必要だ。

 発電会社でなく、電力消費者が自ら設置し、運営できるものだ。
 建設の主体は、大規模農家や企業が考えられる。
 例えば、大規模農家のハウスの暖房、水産会社の大型冷凍倉庫、施設の冷暖房、給温水の電源などだ。
 風力発電の発電電力の非安定性を考慮すると、蓄熱装置を活用した熱利用が現実味がある。
 また、運用できるのは、ある程度土地に余裕のあり、騒音問題も少ない田舎だろう

 これら、中小型風力の発電設備および蓄熱装置の製品をパッケージで提供することは、新たなビジネスチャンスかもしれない。