2011年11月8日火曜日

フランスの寿司屋の思い出

 今回は、堅くない話

 今から3年ほど前、海外調査機関で研究員をやっており、長期で欧州に調査に行くことがあった。
当時はユーロ高で、日当も乏しく、食事はスーパーなどでサンドイッチを買って済ませたり質素なもので、おいしいものはあまり食べられない。

フランスの調査の時、一度、アジア系のやっている怪しい寿司屋に行ってみたことがある。
そこで、すしのセットを注文した。

まず、みそ汁だけが出てきた。前菜のつもりか?
めんつゆに薄い味噌味、ワカメ少々の謎の物体だ。

そのあと、漬物と茶碗に盛った御飯だけ出てきた。フレンチのパンと同様の扱いだ。

そして、メインディッシュの寿司と焼き鳥が出た。
握りはマグロとサーモンのみ5~6貫、ネタはまあまあ、一貫が大きい、シャリが酢飯じゃなく普通のご飯、そして、思いっきり握ってあるので、固い。
おにぎりに刺身を乗せて食べているような感じで、別にまずくはないが、断じて「寿司」ではない。

焼き鳥は、「たれ」でボリューム満点である。
通常の焼き鳥の他、豚肉とチーズの焼き鳥もあったが、これも濃厚な味わい、結構いける。
そして、なぜか、寿司と焼き鳥と一緒に、茶碗に盛ったご飯が出てくる。
寿司をおかずに、ご飯を食べるのは初めてだ。

といった感じで、完全にフランス料理のコース風の寿司なのだ。

以上の料理で、当時11ユーロくらい、フランスの他の外食に比べれば、格安だろう。
フランス駐在の方によると、フランス人も、アジア系のやっている「なんちゃって寿司」は、本当の日本の寿司とは違うとわかっているらしい。
 でも、本式の寿司屋に行けば、ムチャクチャ高いので、手軽に楽しむにはよいようだ。
 日本人の餃子やカレー、ラーメンみたいなものか。

 ちなみにヨーロッパでも回転すし店も多いのだが、これもムチャクチャ高い、一皿4ユーロ位していたのでビックリだ。しかも駅の広場にあったりするので驚きだが、結構流行っていた。
 一皿百円の日本の回転すしチェーンが、ヨーロッパで商売したら(一皿1ユーロ?)、大盛況になるかも。