2011年11月8日火曜日

都会のタヌキに関する遺伝的考察

また、雑学です。
最近、東京の都心にも野生のタヌキが住んでいるが、全国各地で、都市への野生動物の進出が続いている。

 ここで、疑問に感じるのだが、都会のタヌキの遺伝的同質性である。
 都会への進出は以下の2つのどちらかということだ。

①同時多発的に進出してきた。例えば、東京では千葉、神奈川、埼玉のタヌキが同時進出、この場合、かなり遺伝的には多様になっている。

②30年ほど前に、一つのタヌキの集団が、都心生活に適応し、それが増えた。この場合、都会のタヌキはほとんどが血族関係で遺伝的に均質になる。

 もともと里の近くに住む動物ではあるが、自分の直感としては、多分②の要素が大きい。つまり、ごく小さい集団が繁殖したと予測する。
 
根拠として、第一に繁殖の可能性については、タヌキは、10ヶ月で成熟し、毎年に4~6匹の子供を産む、野生固体の平均寿命は3~5年であり、かなりの繁殖力がある。
 野生の生き物は、基本的にはいつも飢餓と、捕食の危険にさらされている。こうした脅威の少ない新たな環境に適応すれば、爆発的に繁殖できる。10年もあれば、数千匹にまで増殖する可能性はある。
 
 また、動物というのは、基本的に保守的で、かなりの経験主義だ、中々新しいことはやらないくせに、一度上手くいったことは執拗に繰り返す。(人間も頭の悪い人ほどその傾向がありますね。)
 例えば、人食い熊の厄介なところは、その経験主義による。一度、人を襲って成功すると人ばかり襲うようになる。
 
 以上からタヌキについても、各地域から同時多発的に進出というよりは、ある集団が、都市進出に成功して、そこで爆発的に繁殖したと考える方が自然だと思う。
 山のタヌキとの遺伝的交流がほとんどなくなれば、数百年単位で考えると、別種の生物への進化の過程とも言える。

そこでもう一つ疑問なのが、他の都市のタヌキと、東京のタヌキの血族関係である。
例えば、名古屋や大阪のタヌキと東京のタヌキの血縁である。(そもそも名古屋や大阪の都心にいるのか?)
都市に適応したタヌキは、山へは行かず、河川や鉄道敷地、道路など線の移動で新たな都市へ移動すると思う。数十年単位ならかなり、分布を広げるはずだ。

誰か、学術研究として結果を知っている人がいたら教えてください。

蛇足:生物の分布域が爆発的に増える過程は、経営でいうチェーンオぺレーションに似ています。競争の少ないニーズ、市場があって、それに対して新たなビジネスモデルをもったチェーン店が爆発的に増えて、市場を席巻する。その過程です。