2011年11月8日火曜日

バリューベースということ

 最近、「経済物理学」やら「実体の価値」やら、難解な意味不明なつまらない記事ばかり書いていると思っている人もいるでしょう。

 どうしてこんなことに興味をもっているかというと、自分の経営コンサルタント活動の中で、違和感を感じることが多くなったからです。
 具体的には、テクニック論に偏重したコンサルティング、公的支援制度(税金)を使った経営支援の有効性、また、一般のマネジメントへの誤解というようなことに対して、どうも違和感を感じてしまうようになってしまった。
 
 この違和感を自分なりに分析した結果が、今回の記事、「バリューベース」という記事です。(造語です。本来の意味とは、ずれるかもしれません)
 
 成功するビジネスの要件として「バリューベースの確立」が必要であると考えている。
 自分の言うバリューベースとは、以下の4つが成立することだ

①顧客に効用(商品)与えて対価(売上)を得ている
②効用>対価(売上)でなくては、顧客はお金は払わない
③利益は:対価(売上)-コストである
④商品あるいは調達先の選択手段:「価値の期待値を最大化するものを選択」する。
 価値の期待値=(効用の期待値)/(支払う対価・手間の予測値)-(認知されるリスク)
  または、
 価値の期待値=(効用の期待値)-(支払う対価・手間の予測値)-(認知されるリスク)


 ※A社、B社、C社それぞれの価値の期待値を考えて、一番大きな価値の期待値が大きい商品を買う。例として、ブランド商品が高くても売れるのは、ブランド力は、リスクが低減されるか、効用を増大させる(品質またはステータス)ことによる。

 ビジネスを見る時に、この「バリューベース」の視点はとても役に立つ。価値を増大させるためには、価格を下げる以外にも、「効用の期待値」を上げる、「顧客の手間の予測値」を減らす、「認知されるリスク」を減らすなど様々にある。

 コンサルサービスへの応用例で言えば、公的機関による経営支援活動などは、顧客支払うの対価は、ごく小さいにも関わらず、応募企業は少ない。

 よって、顧客は効用をあまり感じていないことになる。(効用を感じていれば④の法則から価値が極大化されるはずで、応募者が殺到するはずだ)
 顧客側が「効用を期待していない」ということは、顧客側の「やる気」は低く、コンサルティング活動は上手くいきにくくなるはずである。
��※注:実際の公的支援活動に効用がないわけではありません。)

 つまり、「提案しても顧客動かず」というようなコンサルティングの失敗は、無料サービスに価値を感じない人間の特性によるものも大きい。
 学生に無料で本を渡しても勉強しないだろう。自腹を痛めて買ってこそ、真剣に勉強をするのも同じだ。(対価以上の効用を得るためである)
 
 自分の方向性としても、成果を上げるためには、きちんと報酬をとり、報酬以上の効用を与えるコンサルティングを行って、バリューベースを確立しなければならない。

 また、企業の例で言えば、「社員が○○人いて、給与は△△円払う。よっては、売上が××円ないと」、みたいな話をよく聞く。
 これは、自分都合で、バリューベースが成り立っていない。
 どうやって顧客に効用を与えるか、価値の期待値を大きくするかといった発想がない企業や業界は、よく見ると多い。
��こうした企業にバリューベースを認識させ、構築活動をすることは大きな成果を生むはずだ、自分としては、コンサルティングのチャンスだと思っている)

 こうした発想は、昨年から技術士経営工学部門の勉強(サービスマネジメント)から大きなインパクトを得た。
 おかげで、自分の進むべき方向性が明確になっている。

 今後の自分の経営コンサル活動も「バリューベース」というのが重要なテーマになって動くことになると思う。